【こだわりの声】道具づくり&使用法

道具つくり&使用法へのこだわり

スポーツ科学専門の某先生は、剣道に関わる上で大事なことの一つに「剣道具にこだわり、職人との対話の中で自分にあった剣道具を追求していくこと」をあげられています。先生がご指導されている学生も、そのことをよく理解し「防具についての探求心」が旺盛です。今回は特に「甲手」を取り上げ、先生の“こだわり”と“工夫”についてレポートしました。

道具にこだわる事の大切さ

当店でも剣道具へのこだわりでは3本の指に入る先生に「道具にこだわる事の大切さ」についておうかがいした。

私は、自分の防具はこの店でこの人に作られているという感覚、そして作ってもらった物を更に使いやすいようにユーザーが工夫する、そういう感覚が大切だと思うのです。つまり、作り手と使い手の対話が、良い防具を得るためには非常に大切であるということです。

スポーツ選手は道具にこだわる人が多いです。でも剣道の場合は店の人に勧められるがままに購入して、それをそのまま使っている人が多いのではないでしょうか?また、甲手にしても手に合わない甲手を使っている人がかなり多くいるのではないでしょうか?

スポーツの道具として重要なことは、使う側、個々人に合わせたものを作ってもらい使用すべきだということです。体型や筋力などを考慮に入れることもそうですが、個人の目指している剣道を念頭に入れ作ることも「自分にあった剣道具」を手に入れるために大事なことでしょう。

使いやすい甲手作りへの“こだわり”

剣道具、特に甲手は何度も当店に足を運ばれ、何度も何度も打ち合わせして「自分にあった道具」を目指し作られたものだ。その“こだわり”についておうかがいした。

特徴的な部分は甲手頭部分です。甲手の手の内革は一枚の鹿革から何枚か型抜きをします。その「型」で、最初から使いやすい、そして丈夫な甲手ができるのです。「型」という平面展開図から、「立体」の道具が生まれるのです。そして各人に適合した,人間の動作にできるだけ無理のない「型」から道具をつくることにより,使いやすさと耐久性(丈夫さ)の相反するものが共存することができるのです。このように「型」は道具の命なのです。

このように、剣道のイメージに近い動きを実現できる防具を作るためには、職人と意見をぶつけ、とことんこだわることが大切なのです。

自分の動きに合うよう更にひと工夫

先生は、使い勝手が良い甲手でも、購入した後はさらに自分に合うようにする工夫が大切だと強調されている。先生の甲手を購入後の「ひと工夫」についておうかがいした。

剣道具をならすためにはただ使い込めばいいというわけではないと思います。布と革と綿と糸などでできている製品だから、多少は伸びるしやわらかくなるし、形が若干かわることもありうるでしょう。だから、私は木槌で叩いたりして調整してから使うようにしています。与えられたもの、買ってきたものをそのまま使うのではなく、できるだけ自分に合うように工夫することもスポーツ選手としては大切だと思うのです。微妙なところは使う側が調整して使うべきだと思います。

自分の体に道具を合わせ、なじませるための最後の調整と工夫は「自分がする」ことが大切であるということですね。使用後の手入れもこの工夫に含まれるということでしょう。自分の身を守り、技を生み出すための剣道具、よく知り、大事にすることは、剣道をしている人にとってあたりまえのことなのかもしれません。