胴台と胸が一体化することの重要性
「胴」は「胸」と「胴台」の大きく二つのパーツから出来ています。胸の幅や高さ、胴台の高さや幅などを組合せることで、すべての人の体型にあった胴を製作いたします。下の写真のように胴台と胸が一体化することが大切です。
東京正武堂では、体型による幅・高さや胴台ごとに異なる足の部分のカーブに対応した胸型を各種ご用意しています。胸が浮く、つかえる、左右にずれる、重く感じる、腕が伸ばせない、顎とすきまができる、といった問題を解決します。
下記の写真でお分かりのように、胸と胴台のバランスが悪い胴は、垂直に持ち上げた時、前方に動いてしまいます。この胴を装着すると胴全体の重さを感じてしまいます。
また、胸の巾が広いと「脇を締める」という基本動作ができず、竹刀を大きくまっすぐに振り上げることができません。特に女性の場合、男性よりも腰の位置が高いので、胴を選ぶときは高さと巾を慎重に検討されることをおすすめします。
胴が体にあわないと…
大きすぎると
- 腕が伸ばせない。
- 座礼をする時、首につかえる。
- 垂の上部を痛める。
小さすぎると
- 面の顎(突き部)と胸の間に隙間ができ、さらに胸のサイドにも隙間ができる為、安全性を確保できない。
- 垂と胴との間に隙間ができる。
体型 にフィットしないと(胸と胴台の相性が悪いと)
- 胴を重たく感じる。
- 胴が左右にぶれる(安定しない)。
【製作例】
女子用サイズの胸に関東三階松の略雲型と曙光は刺、溜塗の女子用サイズ竹胴台を合わせたもの。
胴サイズ(高さ)適合チャート
胴サイズ適合チャート
採寸について
(1) ウェストと腰まわり(ヒップ)のサイズをはかる。
(2) 御注文時には、備考欄に、身長・体重もご記入ください。
“胸”の雲型の意味
剣先が胸に付いた瞬間外れることがあります。首や脇への瞬間的ショックアブソーバーの役目を果たしてくれるものです。
見た目にも美しく、優雅さがあります。
雲型のない総刺は当初、安価な防具を提供できるようにするため作られたものです。また、以前は上段に対し胸突きも1本だった為、上段をとる選手が好んで使用した様子です。これらのことにより、一般的に普及したようです。
胸見本
すべて東京正武堂オリジナル胸です。雲型曙光の組み合わせによって、個性的なデザインが出来ます。サイズなどもあなたの身長、体重によって選択をし、機能的で無理のない胴をつくることができます。(写真以外の雲型、曙光もあります)
※当社ではこの他にも多くの型をご用意しております。
曙光について
胸の芯と皮を固定するだけでなく、剣先が付いた時のズレを防止する役目を果たしてくれるものです。
- 色、図案も豊富でおしゃれ心を誘います。
- 古来、武士達が着用した飾りおどしの華やかさと美しさを連想させられるようです。
胴台について
種類は本塗竹胴、ヤマト胴、ファイバー胴、などがあり、それぞれに特性がありますが、衝撃緩衝という点では竹胴が優れていると思われます。
胴があわないことによる弊害は、左右にぶれる、腕が伸ばせないなどの動作に関することばかりではなく、アゴとの間に隙間ができ安全性を確保できない、垂の帯をいためるなど多くの点があげられます。弊社では、身長・体重にあわせて、高さ・巾を調整して製作いたします。胸の大きさ、胴台の大きさ、職人に相談のうえあなたにあった大きさの胴をお作りください。
本塗竹(胴台見本)
F50,F60本型 特殊塗胴台(胴台見本)
ファイバー胴(胴台見本)
※黒呂色塗もあります
高価な竹胴の手入れについて
日本は乾湿の差が激しいので、胴の巾が広がったり、狭まったりと気になることはありませんか?高価な竹胴は以下のように手入れすると長持ちします。
- ご自分の“胴ひらきの理想の巾”と、同じ長さのものを竹などで作り、胴のひらき部分にあてがい、外側から紐で固定します。
- 胴台は極細のコンパウンドなどで磨くと綺麗になります。(専門家にご相談の上お試しください)
- 胴紐が硬くなったら、胴からはずして汗抜きを。紐だけ洗濯してください。
- 乳革、引革、ヘリ革が痛んだら早めの取替え修理をお勧めします。